ネタバレあり!ザ・ノンフィクション「脱出老人」感想とまとめ
密着する脱出老人はそれぞれ首都マニラから2時間ほどの貧しい地域に住む
脱出老人とは?
何らかの理由で日本からフィリピンへと移住した日本人中高年に密着したルポルタージュ。
「脱出老人~フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち」水谷竹秀著。
作品に登場する日本人が共通しているのはフィリピンパブを通じてフィリピンとの関りを持ち、借金が原因で日本を追われフィリピンに移住して最後の人生を賭ける日本人たち。
2019年5月26日放送のフジテレビ系ドキュメンタリー番組「ザ・ノンフィクション」で1年間の密着映像が放映されました。
ザ・ノンフィクションで脱出老人2名に密着
ザ・ノンフィクションで密着したのは2名の日本人男性で、番組の冒頭はマナブさんの密着から始まりました。
首都マニラから車で北へ2時間に位置するブラカン州プリラン町に住むマナブさんは、ガラス瓶からラベルを剥がす作業をする極貧の生活を送るシーンからスタート。
15年前にフィリピンへ移住、日本のフィリピンクラブにはまり借金が500万円に膨らみ逃げるようにフィリピンへ。1日420ペソ(880円)の給料で働きながら貧しい生活を送る。
フィリピンで知り合った25歳の内縁の妻と息子がおり、フィリピンで根を張って生きる決意があり、タガログ語を独学によって3ヵ月でマスター。
番組の密着中に内縁の妻が家政婦として働く富裕層宅で、オーナーと深い仲になったとの疑惑で不仲になり一時音信不通へ。
マニラから車で南へ2時間、貧困層が多く暮らすマカティ市に住むサダオさん。
自動車の中古部品店が並ぶ通りで客引きをして生活するサダオさん。
同じく日本でフィリピンパブにはまり借金生活に陥り、ヤクザからフィリピン人女性との偽装結婚を持ちかけられフィリピンへと渡るが、約束のお金は貰えず。
マナブさんとは対照的にフィリピン社会ちはは馴染めず地域住民から孤立、自動車部品屋を営むフィリピン人男性からのサポートで、雑用等の仕事を与えられ週500ペソ(約1,040円)で食いつなぐ生活。
番組の密着中、そのフィリピン人男性の強い勧めもあり日本へ帰国する決意を固める。
どちらも共通するのは借金地獄からフィリピンへ
どちらも共通しているのは、日本のフィリピンパブにはまったのがきっかけで借金が膨らみ、借金で首が回らなくなりフィリピンへ移住したこと。
フィリピンは物価も安く、年中温暖な気候のため餓死や凍死のリスクもなく最低限の生活費で食いつなぐ生活を送ることができるため、困窮邦人が多く暮らしていると見られています。
一説にはマナブさん、サダオさん以外にも同じような境遇でフィリピンへ移住した脱出老人が数百人存在するとみられています。
希望と絶望のエンディング
2ヵ月の音信不通を経て、内縁の妻が住み込みで働く富裕層宅へ向かい直接対話をする決意をしたマナブさん。
番組が用意した車で、愛する息子の自転車や荷物を積み込んで会いに行き、2人っきりで話し合いをすると誤解が溶けた様子に。
内縁の妻は復縁の条件としてマナブさんが今以上に真っ当な仕事をして生活の基盤を作ることで、バラバラで働く必要がなくなれば一緒に暮らしても良いとの返事。
番組のエンディングでは、新生活に向けて新たに運送業の仕事を始めたマナブさんの姿がありました。希望へと燃えるマナブさんとは対照的に、厳しい状況となっているのがサダオさん。
偽装結婚相手の実家でパスポートの返却には成功したものの、マニラの日本大使館は、航空券代30,000ペソ(約63,000円)と日本での受け入れ先がないとサポートをできない姿勢。
さいごに
新生活への新たな希望を見せるマナブさんと、航空券代と受け入れ先の工面がつかないサダオさんのシーンで番組が終了。
マナブさんは内縁の妻と復縁できたのか、サダオさんはお金の工面と受け入れ先が見つかったのか、視聴者としては非常に気になるエンディングで、続編を期待したくなる非常に興味深い密着でした。