NHK「ノーナレ 画面の向こうから」今治タオル組合下請けがベトナム人技能実習生を違法労働へ
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[画像はNHKの番組HPより]ナレーションのない新感覚ドキュメンタリー番組
NHK「ノーナレ 画面の向こうから」とは?
6月24日にNHKで放送された30分間番組で、ナレーションを一切使用しない新感覚の映像ドキュメンタリー。
愛媛県今治市のタオル製造工場で働くベトナム人技能実習生の「たすけてください」の声に、NHK取材班が技能実習生制度を悪用した違法労働にメスを入れたドキュメンタリー。
番組に助けを求めてきたのは、1年半前に75万円の借金を背負って技能実習生として来日したベトナム人女性の技能実習生。
服飾技能の実習生として来日したにもかかわらず、就業先は今治市のタオル生産工場。
今回番組で大きく問題点としたのは、家賃3万円を負担させながらも、刑務所のような窓のない雑然とベッドが並べられた劣悪な居住環境。
そして過労死ラインを超える180時間もの長時間残業、残業代は40時間までしか支給されておらず違法なサービス残業を強いられ、精神的にも肉体的にも限界を超えNHKに助けを求める。
NHKは会社名を公表しておらず、視聴者の誤解を招く展開へ?
放送終了後、ネット上では視聴者による議論が過熱。違法労働を強いたタオル工場の特定へと動く事態に発展。
一部暴走した特定班により、番組で取り上げた企業ではない企業が憶測により名指してやり玉へ上げられてしまう事態へ。
•ハッシュタグ付きで今治タオルの不買運動
•ネット上の一部特定班が暴走、無関係の会社を名指しでやり玉に上げてしまう。
•名指しされた会社が無関係であると遺憾の声明
•NHKはネット上で取り上げられた会社は無関係との声明
番組を見た視聴者から、番組内容をたいして把握してない人々にまで今治タオルの不買運動が拡散。
事態を重く受け止めた今治タオル組合や、NHKが急遽声明文を出す事態へ。
今治タオル組合は違法労働を行なったのは下請けであると発表
当初無関係としながらも今治タオル組合は違法労働は下請けが行なったものと強調、しかし下請けが行なった違法労働については元請けとして受け止める必要があるとした。
焦点となるのは、今治タオル組合は実習生の違法労働への関与についてですが、今治タオル組合としては、あくまで下請けがやったという姿勢。
一部視聴者からはトカゲの尻尾切りではないのか?と批判もあります。
はっきりしておかなければならないこと
今治タオルブランドとは、組合に加盟する複数の会社で構成されており、下請けを含めて伝統を守って真面目に経営している会社がほとんどである点。
違法労働を行なったのは下請けであり、元請けは下請けの違法労働の実態を把握していなかった点。
一方で違法労働が行われていた住所は元請けと同じ敷地内にあり、元請けという強い立場で下請けに対して生産力以上の成果を求めていたのではないかとの疑問も残ります。
番組で取り上げた工場は現在も操業中
2019年6月、同工場で働いていたベトナム人技能実習生が脳出血で倒れ、現在も意識不明の状態が続いていると伝えられたところで番組は締めくくりへ。
一方でNHKの通報により保護されたベトナム人技能実習生8名は、支援者の協力で佐賀県にある保護施設で保護され、日本語の訓練を受けながら新たな職場へと移ることができました。
さいごに
今治タオル 奇跡の復活 起死回生のブランド戦略
個人的な感想としては、元請けとして下請けの違法労働を監督出来なかった点には疑問が残ります。
むしろ違法労働を見て見ぬ振りをしていたのでは?と受け取られかねないのも事実で、トカゲの尻尾切りのようで釈然としません。
同時に真面目に伝統を守って今治タオルを生産している業者が多数であることを忘れないようにしたいです。